会津田島祇園祭

introduction

山々に囲まれひっそりと佇む南会津町。ここに日本三大祇園祭の一つ会津田島祇園祭がある。約800年の歴史を受け継ぎながらも人口が減ると共に祭りの規模は小さくなった、それでもこの祭りは地元の者によって毎年欠かさず行われている。地元の者にとって会津田島祇園祭とはどういう祭りなのかその魅力を探ります。

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その1 南会津の祇園祭

南会津の夏の一大イベントを尋ねれば、誰もが会津田島祇園祭を口にするだろう。
地元の子ども達の夏休み最初の楽しみはこの祭りだ。
誰もが小遣いを握りしめ、山車に屋台にとその熱気と神事の持つ独特の空気に心浮き立ち、普段はなかなか許されない夜遊びまでを楽しむ。
そんな思い出をこの地に暮らすものならば誰もが持っているはずだ。

祇園

祇園の風景

会津田島祇園祭、それは京都祗祇園祭と博多祇園山笠と共に日本三大祇園祭の1つに数えられ、他の祇園祭に比べて規模は小さいが、鎌倉時代から伝わる古式ゆかしい南会津夏の風物詩だ。
田出宇賀神社と熊野神社の祭礼として毎年7月22日から3日間かけて行われ、この地の人々はこの日に疫病・災難・厄除け・縁結び・長寿そして豊穣の祈りを捧げた。

会長賞 「想い」

会長賞 「想い」

祭りを盛り上げるのは熱気あふれる山車を引く男衆、山車の上からの子ども達の祭り囃子、道路脇にずらりと並ぶ屋台からの美味しそうな香りや客引きの威勢のよい声だ。
そんな祭りをさらに色濃くするのが灯籠に導かれた先の神社で行われる神事だ、祭りに浮足立つ者の気を引き締め、800年以上も昔から続く祈りがこの祭りに独特の色を添える。

会津田島祇園祭は国指定重要無形民俗文化財に指定されており、その歴史を伝承していく事にも意味があるが、それは単純な地元の者達の夏の楽しみだ。
誰もが小さな頃からその祭りに参加し、その成長とともにこの夏の風物詩は存在し続けた。
その祭りに大人達はさまざまな思い出を重ね、子ども達は夏の思い出を作る。
途絶えてしまえば、大人達は単純な寂しさを持つだろう、そしてそれは今もって子ども達の夏休み最初の楽しみである。
その規模が小さくなろうとも地元の者によって受け継がれ、毎年祭りの日を迎えている。

祭りの思い出をこの地に暮らす者は共有している、その思い出は年代や性別をも超えその絆を強くする。
会津田島祇園祭は地元への愛着を育む祭りだ。

投稿者: cool会津編集長