国権酒造

国権酒造
introduction

会津は全国新酒鑑評会にて全国で一番多くの酒蔵が金賞を受賞している日本でも有数の酒処だ、その一つに南会津で連続9年金賞を受賞している酒蔵・国権酒造がある。
創業139年、時代の変化の波を乗り越え彼らの作る酒は全国に認められるものとなった、当然のごとく毎年金賞を受賞し続ける造りとはどのようなものなのか、その姿に迫ります。

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その2 稲刈り

南会津町、酒米収穫

南会津町、酒米収穫

国権酒造の酒造りは年間通して行われている、日本酒そのものを仕込み始めるのは10月ぐらいからだが、国権酒造はその酒米も作っている。

夢の香

夢の香

“特別純米酒 國権 夢の香”は全てが福島・会津にこだわった日本酒だ。
米は国権酒造に務める室井さんとその家族で育てた、福島独自に開発した酒造適合米“夢の香” 酵母は福島独自の酵母“うつくしま夢酵母” そして山深い会津の地で育まれた、敷地内から湧き出る井戸水。
こだわりの原料と蔵人の想いが調和して“特別純米酒 國権 夢の香”は作られている。

まだ暖かい9月、酒米 “夢の香” の収穫が始まる、国権酒造に務める室井さん一家がその作りを担っており、田んぼに伺うと室井さんの他にお父さんと中学生の息子さんが稲刈りを進めていた。

左:精米前 右:精米後

左:精米前 右:精米後

酒米と食米の作り方はほとんど同じであっても出来上がる米は全く違う。
日本酒に必要なのは、その米の白色不透明の部分・心白であり、この心白以外には多くの栄養が含まれている、しかしそれが日本酒に雑味を含ませ、味を鈍らせる原因となる。
そのため、食米の心白は端によっているが、酒米は心白を削り出しやすくするため、中央になるように改良されている。
広大に広がる田んぼ、そのほとんどが食米で、それぞれの農家がそれぞれに米を育てている。狭い土手はさみ食米と酒米が育てられている。

室井さんご家族

室井さんご家族

室井さんが稲刈り機で稲を刈り、息子さんが鎌を持ち田んぼの端、稲刈り機で収穫しきれなかった稲を刈り、お父さんは先の作業の準備を整える。
稲刈り機で稲を刈る光景は会津では馴染み深いよくある光景だが、食米が混ざってしまえば、それは雑味の原因となる。慎重に、精確に稲刈りは進む。

 

室井さんとその息子さんの姿を眺め、
「孫と息子と作った米で作った酒で毎晩、晩酌です。そりゃぁ、まぁ、まるで夢のようですよ」
お父さんはダジャレを交え照れながら話す。

そこには純粋に日本酒を楽しむ以上に、酒造りに関わる人の特別な楽しみと喜びがある。

投稿者: cool会津編集長