宮泉銘醸

introduction

“写楽”それは日本酒を愛好する者なら一度は呑んだことがあるだろう。今日本酒を特集した雑誌でもよく目にする美酒だ。天才と謳われた浮世絵師・東洲斎写楽の名を持つそれは、どの季節にあってもどのような環境にあっても洗練された美しい味わいを感じさせてくれる。洗練された美しさを感じさせる日本酒、それはどのようにして生まれるのだろうか。

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その3 兄の生き方・日本酒に惚れた弟

その3-1なぜに“写楽”がこれほど注目を浴びる日本酒となったのか、「うちは広告費を一切掛けていません、それは兄のデビューが鮮烈なものだったからじゃないでしょうか、日本酒コンクールで常連の方々に混じり、いきなりぽっと出の新人が上位に入り込んだので、それから酒販店さんにお声を頂くようになりました。」


兄・宮森義弘と造りの経験のない新人達が求めた美味い日本酒“写楽”
玄人ではなく新人が求め造り出したからこその美味さがそこにはあったのかもしれない。

その3-2蔵の中を見終わって言葉を失う私に、その日彼は一番良い表情を見せた「すごいでしょ」と、それは兄弟の関係を捨てたと言いつつも兄を慕い尊敬する弟らしくあり、「兄の生き方に惚れたんです」という言葉が本当なのだと分かった。
自分達で造り上げた“写楽”を誇らしげに躊躇なく「写楽、美味いでしょ」と話す姿には、蔵に入り約1年半、兄弟の関係を捨て宮森義弘と共に美味い酒を造り出した蔵人としての誇りがあった。

昨年、宮泉銘醸では“酵母無添加純米生もと生酒”を限定数で販売し即完売となった。
科学的に培養させた乳酸と酵母を使う造りが一般的な中、科学的に培養されたものではなく自然界の中に生まれ蔵に住み着く酵母菌を上手く利用し育て造り上げる、昔ながらの造りから生まれた完全無添加、オールナチュラルの日本酒。

その3-3「兄は生き急いでいるような人です」
彼を通して知る兄・宮森義弘は誰にも追いつけないようなスピードで先へ先へと走っているようだ。蔵を受け継いだ時背負った荷物は軽やかになり、そのスピードは増しているかもしれない。
最高の品質を求め蔵の中に手を加え、開放された研究室から蔵人達は更なる進化を遂げ、宮森大和と兄、そして蔵人達は急速な成長を遂げている。

全ては兄・宮森義弘が求める美味い日本酒に向かって。

投稿者: cool会津編集長